04 ルートプロジェクト ストレスフリーな移動の実現に向けて

ゼンリン

かつて、創業者が学生時代に着手した経路探索の技術は、ナビタイムジャパン設立後も研究を重ね、
ブラッシュアップを図ってきました。当社ならではのコア技術を継承した二人のエンジニアが、
より快適でストレスフリーな移動の実現にかける熱き思いを語ります。

  • Kosuke

    2009年入社 中途入社
    システム情報工学研究科修了

  • Shota

    2013年入社 新卒入社
    情報科学部 ディジタルメディア学科卒

進化するナビタイムジャパンのコア技術。
その根幹を支えるのは若きエンジニアたち。

Ikuo:自動車や徒歩、電車、バス、自転車、オートバイといった交通手段を組み合わせて、出発地から目的地までの最適な経路を探索する「経路探索技術」。ルートプロジェクト(以下、ルートPJ)では、この経路探索技術の研究・開発を行っており、私はルートPJのプロジェクトマネージャー(以下、PM)を務めています。経路探索技術は当社の創業者が学生時代に着手した研究が基盤となっていて、創業期から今に至るまで、技術のさらなる向上を目指して研究を進めてきました。渋滞などを避けて、より快適な経路を探索するのはもちろん、所要時間算出の精度向上も本プロジェクトの重要なテーマとなっています。

Yu:今、まさに私たちが取り組んでいるのが渋滞予測の精度改善。

Yu:今、まさに私たちが取り組んでいるのが渋滞予測の精度改善。当社は、カーナビアプリで、移動所要時間1時間以内の経路探索に関して「90%以上の確率で、実際にかかった時間と誤差±5分以内の交通情報の提供」を打ち出していますが、VICS(道路交通情報をリアルタイムに送信する情報通信システム)やプローブ情報(ユーザーが運転する自動車から送信されるGPS測位データを分析して推測・生成した道路情報)を活用して、この精度をさらに高めていくことを目標としています。

当社は、カーナビアプリで、移動所要時間1時間以内の経路探索に関して「90%以上の確率で、実際にかかった時間と誤差±5分以内の交通情報の提供」を打ち出していますが、VICS(道路交通情報をリアルタイムに送信する情報通信システム)やプローブ情報(ユーザーが運転する自動車から送信されるGPS測位データを分析して推測・生成した道路情報)を活用して、この精度をさらに高めていくことを目標としています。

Ikuo:たとえば、当社の“トラックカーナビ”を利用するドライバーの場合、搬送スケジュールに則って目的地まで移動するため、遅刻厳禁であるだけでなく、早すぎる到着も御法度なんです。つまり、移動時間の予測においても精度の高さが求められる。しかし、道路に渋滞が発生したり交通規制がかかったりすると、現実的な予測が難しくなります。そこで役立つのが、これまでに蓄積してきた交通情報のデータというわけですね。ところで、YuさんはルートPJに参加して2年になるけれど、印象に残っている案件はありますか?

Yu:1年前、ユーザーのプローブ情報から渋滞走行距離や順調走行距離を計算し、渋滞を回避したルートを通った人にマイレージポイントを付与するシステムを開発しました。“ドライブサポーター”など、別サービスにも横展開できるよう、プローブ情報のフォーマッ

Yu:1年前、ユーザーのプローブ情報から渋滞走行距離や順調走行距離を計算し、渋滞を回避したルートを通った人にマイレージポイントを付与するシステムを開発しました。“ドライブサポーター”など、別サービスにも横展開できるよう、プローブ情報のフォーマットを改善した点が特に印象に残っています。その後も、大型車規制のデータ整備やマイレージ対応サービスの拡張など、道路交通情報に関連した取り組みをいくつも担当させていただきました。

トを改善した点が特に印象に残っています。その後も、大型車規制のデータ整備やマイレージ対応サービスの拡張など、道路交通情報に関連した取り組みをいくつも担当させていただきました。

一切のストレスを感じず、
移動自体を楽しめる時代の到来も近い!?

Yu:交通情報の研究は、“トラックカーナビ”のような自社提供のアプリはもちろん、OEMとして技術提供をしているお客様ブランドのサービスにも生かされています。特にOEMサービスは、当社のコア技術の可能性をさらに広げていくという意味でも、大きな取り組みだと感じています。私は直接携わっていませんが、最近注目されているものとして損保会社様に“ドライブサポーター”の技術をOEM提供していますよね。

Ikuo:スマートフォンアプリ“ポータブルスマイリングロード(PSR)”ですね。お客様である損保会社様は、その事業特性から「少しでも交通事故を減らしたい」という思いをもっていらっしゃいます。そこで、個人の自動車保険の契約者に向けて、事故多発地点を回

Ikuo:スマートフォンアプリ“ポータブルスマイリングロード(PSR)”ですね。お客様である損保会社様は、その事業特性から「少しでも交通事故を減らしたい」という思いをもっていらっしゃいます。そこで、個人の自動車保険の契約者に向けて、事故多発地点を回避する特別機能を搭載した経路探索アプリを開発しました。VICSやプローブ情報を集計してユーザーの走行速度や回避したルートを分析し、事故多発地点回避後も最適な経路の提供を実現しています。

避する特別機能を搭載した経路探索アプリを開発しました。VICSやプローブ情報を集計してユーザーの走行速度や回避したルートを分析し、事故多発地点回避後も最適な経路の提供を実現しています。

Yu:多くのユーザーから日々収集しているプローブ情報は、当社の強みでもあると思います。このデータを活用して新しいサービスの開発につなげていくことで他社との差別化が図れるし、私自身、この点にルートPJのメンバーとしてやりがいを感じています。ただし、プローブ情報は膨大な量のログで構成されています。マイレージを付与するシステムの場合、前日のログを集計するのに1日以上かかってしまうため、並列化して分散処理をする必要があります。

Ikuo:プローブ情報はもちろん、経路コストモデルや、鮮度の高い地図もまた当社の大きな強み。経路コストモデルに関しては、常日頃から社長や副社長と議論を交わしています。たとえば、多少時間がかかっても良いから渋滞を避けたいと思っているユーザーに対し

Ikuo:プローブ情報はもちろん、経路コストモデルや、鮮度の高い地図もまた当社の大きな強み。経路コストモデルに関しては、常日頃から社長や副社長と議論を交わしています。たとえば、多少時間がかかっても良いから渋滞を避けたいと思っているユーザーに対して、どのような経路を提供するか。「その時、その場所」で最適な経路を提供する技術とノウハウを当社はもっていますし、ルートPJではこの技術をさらに高めるための研究・開発を進めています。

て、どのような経路を提供するか。「その時、その場所」で最適な経路を提供する技術とノウハウを当社はもっていますし、ルートPJではこの技術をさらに高めるための研究・開発を進めています。

Yu:近年、自動運転技術の開発など、交通業界は大きな動きを見せていますよね。今後、自動運転が普及したら、当社のサービスも自動運転化に対応するかもしれません。自動運転車が当社の交通情報を基に渋滞などを回避していき、ユーザーが何のストレスも感じることなく目的地まで到着する。近い将来、そんな時代が来るかもしれないですね。

Ikuo:コア技術やこれまで蓄積した交通情報を生かして、社会に貢献していくことが、私たちの使命です。Yu君が言ってくれたように、ユーザーのストレスをなくし、移動自体を楽しんでもらえる時代が来たらこれほど嬉しいことはありません。実際、こうして会話しているそばから、「徒歩での移動時にユーザーが同じ場所をうろうろしていたら、迷っているパターンと判断して、“今、迷っているの?”と音声案内ができたら……」などとイメージを膨ませています。こうした発想を実現するだけの技術と人材がナビタイムジャパンにはありますから、ぜひ、ルートPJのPMとして、新サービス開発の下支えとなるような研究実績を残していきたいですね。

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